道歩くときの通行人が邪魔だと思うけど地方はどうなんだろう
大山さんと会社の外にランチに行った時、
人混みの歩道をすり抜けるように歩いていた。
赤信号で立ち止まったときに大山さんが言った。
「都会ってさ、人多いから道歩くときって
前から来る人にぶつからないようにとか、
逆にゆっくり目の前歩いている人の横すりぬけたりとか、
たかだか街を歩くだけでいろいろ気を使ってるじゃん?」
赤信号の交差点には徐々に人だかりができていく。
「ぶっちゃけ邪魔だなーって思いながら歩いているときあるんだけどさ。
地味にストレス感じるわけよ」
大山さんは続ける。
「でさ、この前出張で地方に行ったんだけど、
そこは、その地域では都会だから、歩道も整備されてて都会みたいなんだけど、
歩いている人が全然いないのな。
だからスイスイ歩けちゃって」
信号が青に変わり、一斉にみんなが歩き出す。
「地方の人って道歩くのにストレス感じたりするのかなー。
道いっぱいに広がって歩いている人を追い抜かせずにイライラすることってないと思うんだよね。
あんまり気づかないけど、
そういう日常のちょっとした差のせいで都会の生活って疲れんだろうなーって思ったよ」
歩いていると真横の店のドアが開き、人が飛び出てきた。
道路を横切りたかったのだろう、ちょうど直進していた私達にぶつかった。
そして、その人はこちらを見ることも一言いうこともなく、そのまま雑踏に消えていった。