人から非難されないか気にしている

『他人なんか関係ない、自分がやりたいようにやるんだって言うくせに、 それが非難されないか、不快感を持たれないか、 周りにどう思われてしまうか、気にしていることに気づくいちゃってさ」 隣のチームのリーダーの早川さんは何気なくそんなことを言い出し…

道歩くときの通行人が邪魔だと思うけど地方はどうなんだろう

大山さんと会社の外にランチに行った時、人混みの歩道をすり抜けるように歩いていた。赤信号で立ち止まったときに大山さんが言った。 「都会ってさ、人多いから道歩くときって 前から来る人にぶつからないようにとか、 逆にゆっくり目の前歩いている人の横す…

ひとつも変わらない

金沢に聞いてみた。ひとつも進まない毎日はそんなに悪いことかと。変わらない毎日はいいものではないかと。 金沢は考え込んだままだったが、ぽつりと「自分は納得できないのだろうな」とつぶやいた。

ひとつも進まない毎日

毎日仕事に行き、家に帰る。子どもの面倒を見る。妻とテレビを見ながら話す。 いろいろなものは移り変わっている。だけど、自分の中で何かが進んでいるという実感が無いんだよ。ひとつも進まない毎日をただただ過ごしている感覚で。 毎日やっている仕事。も…

メンヘラの女の子を引き寄せる男

「メンヘラの子と付き合う男って、そういう人を引き寄せるんですよね」 山下君が苦笑いしながら話す。 「世話焼きが多いですよね。 あと、この人のこと、自分だけはわかってあげるんだ、みたいのに酔ってる傾向があるかも。 でもって、その人が恋愛経験少な…

付き合い始めはいつから自分を出す?

古都子が新しい彼氏ができたのに浮かない顔してた。話を聞くと「いつ頃から自分を出せばいいかわからなくって」と言う。新しい彼氏は合コンで知り合ったこともあり、まだあまりお互いの素を知らない状態らしい。 「話をしてるときに自分の考えを言いたくなる…

ベンチャーが大企業になってもなぜ初期メンバーは残るのか

貞友との話のつづき。ベンチャーが大企業になると元いた人が辞めていく理由はわかった。その割には初期メンバーって結構な確率で残っているような。 ビールを飲もうとしてた貞友はその手を止めて答える。 「ああ、そりゃ簡単だ。つまり居心地がいいんだ。 な…

大人と興味

「大人って、いろんなものにどんどんこだわりがなくなっていくよね。 その割に、今自分が持っているものにはどんどんこだわっていくよね。ていうか固執? よく言えば余計な好奇心が無くなって、 本当に自分にとって大切なものを大事にするようになるってこと…

誰よりも知っている not equal 仕事ができる

3年目の町田くんが部長に質問されてよどみなく答えている。 「はい、それはあそことここに話がつけば準備できます」 「いや、それは難しいです。なぜならこちらを先に動かさないと物理的に不可能だからです」 部内でも彼が現場担当なので詳しい。 部内で誰よ…

夫婦は言わないと

会社の休憩所でコーヒーを飲んでいたら大山さんも休憩に来た。大山さんは、この前奥さんに不満があっても、大事な人ほど本当のことが言えないとぼやいていた。 その後どうなんですか?と聞いてみる。「いやー、それがねー」と大山さんはコーヒーを注ぎながら…

株で儲けたお金を使う

15時に株式市場が閉まり、1日が終わる。その後、為替やら外国株式やらPTSやらいじろうと思えばやることはあるけど、そもそもシステムトレード主体でやってるので、わざわざ博打をする必要があるわけじゃない。 ジャケットを着て、電車に乗って都心に向かう。…

常勝システムトレードがもたらしたもの

午前9時をまわると東京株式市場が開き、取引がスタートする。めまぐるしく変わる株価を見ながら(ほとんど動きが無いときもある。そういうときは本当に退屈だ)、株を売り買いしていく。いわゆるデイトレードである。 ただ。 自分にとってデイトレードはただ…

トレーダーの朝

朝は8時に起きる。寝坊することがあっても9時には起きる。PCを立ち上げ、3枚のモニターの電源を入れる。証券会社のアプリ、株価情報がわかるサイトを次々開き、モニターの指定位置にそれぞれ配置していく。 昨日のダウと先物の値、ニュース一覧をざっと見る…

ベンチャーが大企業になるとなぜ元いた人が辞めていくのか

貞友が転職したと聞いて飲みに行った。確か5人ぐらいのベンチャーに入社してバリバリやってたはずだ。その会社は今では数百人の社員がいる会社になっており、同じ業界では頻繁に話題になっていた。貞友はまたベンチャーに転職していた。 貞友は言う。ベンチ…

やる気が出ないとか

隣のチームのリーダーの早川さんと、同僚の高橋くんとランチに出かけた。 早川さんはご飯を食べながら 「ああー、休み明けで全然やる気出ないわー」 と何度も言っていた。 5度目の「やる気出ない」という話の後、 高橋くんは「そういうの、あんまり言わない…

大事な人ほど本当のことが言えない

大山さんはグループリーダーだ。部下には厳しいこともズバズバ言うし、自分より上の立場の人にもズバズバ言う。 「言えねぇんだよなー」と大山さんはビール片手にぼやいた。新年会の席で新婚1年目の奥さんの話をしていたときだった。一緒に暮らしてればカチ…

コミュニケーションテクニック「共感」

コミュニケーション教室の臼井先生はさまざまな受け取り方を教えてくれるから好きだ。どうしてこういうところの先生達は納得できない答えを納得できない自分がよくないように言うのだろう。 「相手の話には共感を示してください。示すことが大事ですよ。 う…

コミュニケーションテクニック「傾聴」

コミュニケーション教室の臼井先生の話し方はわざとらしくなくて好きだ。どうしてこういうところの先生達は体全身を使ってねっとりと話す人が多いんだろう。 「人とうまく会話ができない、コミュニケーションが取れないという人の多くは、 自分が話すことを…

年末年始は勉強しようと自然と思っていた

前からちょっとわかってないなと思っていた会計について勉強していたら年上の従兄弟がやってきて「勉強しているのか?」と聞いてきた。そうだと答えたら「何も正月にそんなことしなくても」と言われたので、正月だからやるのだと教えてあげた。 従兄弟には久…

年末年始こそ勉強しないと

叔父の家に顔を出す。正月の特番を親戚一同で見ながらダベっている。ゆったりと落ち着く心地よい瞬間だ。 2階から年下の従兄弟が降りてきた。冷蔵庫からジュースを取り出すと、また2階に上がっていった。ふと、何をやっているのか、もしゲームをやっているな…

実家には今、親だけが住み、暮らしている。彼ら2人の日々を直接見ることはできない。だからだろうか、どんな暮らしを送っているのか気になるときがある。 2人っきりになって寂しくないだろうか。それとも楽しいだろうか。何を話しているのだろうか。何も話し…

なぜ年々、年の瀬感と新年感は無くなっていくのか

「今年も終わりだなーとか年末慌ただしいなーとか。 年々そういう年の瀬感って無くなっていくよなー」 そう言う親戚のマー兄ちゃん。 「同じように新年感も無くなるよなー。 昔は去年のもやもやが一気にリセットされる感じがして好きだったのに。 今では年末…

目標を立てる

「やー、今年は目標だったハーフマラソン完走できたからね。来年はフルかなぁ」ご機嫌そうな草間さん。「みんなはどうだったの?今年の目標の成果は?」ニコニコしながら問いかけてきた。 吉田君がぼんやりと答える。「これといってないけど、なんだろ。給料…

成功を願って褒め称え、失敗を祈って妬む

忘年会シーズン、以前一緒のプロジェクトだったメンバーで飲むことになった。6人で集まったが、そのうちの4人、荒金、百瀬、富永、林は会社を辞めている。今のご時世なのか、4人とも転職ではなく、起業、あるいはフリーで仕事をしているようだ。 フリーなん…

やりがいの無い仕事なんかくだらない

「やっぱ、やりがいのある仕事をやってなんぼじゃない?遊ぶために働いているんだとか言うやついるじゃん?あれ、間違ってると思うんだよね。人生の大半を過ごす仕事の時間がさ、つまらない仕事をひたすら耐えるだけって、それどこの奴隷よ?って話だよ」 「…

恋人でいたいのに教師になってしまう

水川君はとても頭がいい。真面目で正義感も強い。だが不器用なのだろう。恋人ができてもなかなか続かない。理由は何度も聞いている。恋人同士という対等の立場でいたいのに、いつの間にか彼女を教育してしまっているのだという。 たいていは些細なことから始…

宝くじ当てた。会社辞めた。そして。

3年前に退職した阿部さんがこの12月から復職してきた。 阿部さんは仕事ができるチームのリーダーだったので、 前から「うちに戻らないか」と何度も部長に誘われていた。 阿部さんが辞めた理由は表向きフリーランスになるからという話だったけど、 実は宝くじ…

楽しいを基準に、大事に、選ぶといい

大人になると我慢を覚えていく。 あるいは代わりのご褒美と引き換えに辛さを引き受けられるようになる。 仕事だからがんばんなきゃ、給料もらってるし、みたいなね。もしそれが、その我慢の先に本当に欲しいものがあるなら、 その我慢は健全なものだし、乗り…

圧倒的オンリーワン

「やっぱさ、ナンバーワンっていうよりはオンリーワンになりたいわけよ。 ナンバーワンって、人の作ったルールの上で1番になっただけっつーかさ、 結局誰かの手のひらの上って感じがするじゃん。 その点、オンリーワンは違うよな。自ら切り開いた感じがする…

お金という、社会の発展に生産力を貢献させるしくみについて

大学のゼミの先輩の鈴木さんと久しぶりに飲んだら、 こんなことを語っていた。 いわく、会社に行かず自分の思うままに毎日を過ごせたらないいなと思う。 働くことがイヤなわけじゃなくて拘束されるのがイヤだ。 自分の時間なのだから自分の気分に合わせて生…