目標を立てる

「やー、今年は目標だったハーフマラソン完走できたからね。来年はフルかなぁ」
ご機嫌そうな草間さん。
「みんなはどうだったの?今年の目標の成果は?」
ニコニコしながら問いかけてきた。

吉田君がぼんやりと答える。
「これといってないけど、なんだろ。給料上がればいいなーと思ってて、
 まあちょっとだけだけどあがったから達成すかね」
草間さんは、ええー、もうちょっとちゃんと考えろよーと不満の声を漏らした。

草間さんは毎年目標をしっかり考えているのだという。
そしてそれをしっかりと達成していく。
目標があることで毎日に張り合いが出るし、
目標の無い人生なんて無意味だなんてよく言っている。

 

休憩所から草間さんがいなくなり、
吉田君がボソッと「目標って息苦しくならない?」とつぶやいた。
「苦手なんだよ。自分で自分にプレッシャーかける感じが。
 しかも達成しても失敗しても誰かに影響あるわけじゃないし。
 ていうか、目標目指してやってるうちに、全然違うことに興味出てきたらどうするんだよ」

「目標立てたって先のことなんかわかんないし」
「そのときそのとき、やりたいと思ったことをやるのがいいじゃん」
「結果なんてどうでもよくて、アクション起こしたかどうかだろ」
「フツーにそれで毎日に張り合い?あったし」
ちょっとムキになっているみたいだった。

 

来年もそうするの?と聞いた。
彼は大きくうなずいた。
聞いている分には普通に目標っぽく聞こえるけど。
そう話したら吉田君は、ちょっと考えてからこっちを見て、「かもな」と言って笑ってた。

今週のお題「2014年のお別れ」〈2014年をふりかえる 3〉